社長山田の経営ばなし 第三回 〜車で30分以内にお客さまを絞り込んだ〜

5回にわたり、当社の代表取締役 山田 武雄に、これまでの事業についてお話を聞きました。

1990年に不動産会社の「株式会社セイブ」、1999年にはハウスメーカーの「株式会社スマイルハウス」を設立してきた山田社長。2社をM&Aで売却後に、当社の「株式会社サポート」を立ち上げました。(株)サポートでは土地の分譲販売や、リフォーム済み中古住宅を扱っています。

第3回の今回は、「株式会社スマイルハウス」の頃のお話。地域も商品もお客様も徹底的に絞り込み、質の高い対応の心がけについて聞きました。

もともと私は、セイブで不動産だけを扱っていました。けれども、お客様が土地を買う目的をよく考えてみると、その先には「家を建てたい」という想いがあるのです。土地を買えば、その上に家を建てる――それは自然な流れですよね。

ならば、土地だけで終わるのではなく、その先の住まいづくりまで手掛けるべきではないか。そう考えたとき、お客様の本当のニーズに寄り添えるのは住宅まで含めた提案だと気づきました。そこで、注文住宅を扱う「スマイルハウス」を立ち上げたのです。

私たちの基本姿勢は、“お客さまの欲しい場所に、欲しい価格で提供する” というものです。その想いを徹底するために、あえて“お客さまは会社から車で30分以内の範囲のみ”と決めました。限られたエリアに絞り込むことで、当社を求めているお客さまに届く宣伝ができますし、そして一人ひとりに濃いサービスをご提供できるからです。

特に住宅は、買っていただいて終わりではありません。むしろ、そこから始まる暮らしの中でのお付き合いこそ大切だと考えています。最低10年間はアフターサービスが続きます。アフターサービスでは「声をかけていただいたらすぐに駆けつける」ことを自らに課しました。

だからこそ、地域を絞り込むことが重要でした。限られた人数でも、すぐに駆けつけて対応することができるようになりました。

その結果、お客さまの満足度が高くなり、そこから新しいお客さまをご紹介いただくことも多くありました。やっぱり“お客さまの声”が次につながる大きな力になります。

エリアを広げすぎてしまえば、どうしてもサービスが行き届かなくなる。そのリスクを避けるために、私たちは規模に応じた適正な範囲にこだわり続けてきました。正直、この30分という基準でさえ、私たちの規模からすれば広げすぎかもしれません。

実は以前、松本から東京都世田谷区での案件を手掛けたことで、大失敗をした経験があったんです。やはり資金力も人手も限られているなかで、手を広げるのは無理があります。その反省から、地域も商品もお客様も徹底的に絞りました。 “ランチェスターの法則” に基づいたものです。

ランチェスター戦略は、ビジネスにおける競争で勝つための理論と、その実務を体系化したマーケティング・販売戦略の一種です。特に、小さな会社が大きな会社に勝つための戦略として知られ、「弱者逆転のための戦略」とも呼ばれます。

もともとは、イギリスの F.W.ランチェスター が第一次世界大戦中に発見した兵力投入などの軍事戦略「ランチェスターの法則」を基にしています。戦後、この法則は経営戦略に応用され、企業が市場シェアを拡大したり、競合に打ち勝ったりするための指針として活用されるようになりました。

ランチェスター戦略では、市場シェア1位以外の企業は、すべて弱者と定義されます。弱者に有効とされる第一の法則に則った戦い方には「局地戦」「接近戦」「一騎打ち」「一点集中」「陽動作戦」の5つがあります。

なかでも当てはまるのは「局地戦」「接近戦」「一点集中」でしょうか。“お客さまは会社から車で30分以内の範囲のみ”と決めて、お客様にぐっと近づいた宣伝やサービスを行いました。目指すは、会社から車で30分以内の範囲でダントツ1位です。

経営者は“お客様を取りこぼすんじゃないか”という不安をどうしても抱きますよね。しかし、地域を絞れば、きめ細かなサービスができて知名度も上がるものです。

すべてを取ろうとすると逆に行き違いが出ます。しかも、私達は絞り込んでもシェアは10%でした。しかし、これは大きな意味を持つんです。

たとえば、うちはツーバイフォー工法を基本にしていましたが、異なる工法を好むお客さまも当然います。その場合、無理に変更をすると現場も大変ですし、お客さまも不満足になってしまう。だから “私達の商品と商圏に合わさるお客さまとお仕事をする” というスタンスでした。それが結果的にお互いにとって一番いいんです。

ファミリー層のお客さまです。ターゲットとしていたのは、金額感でいえば年収400万から600万くらいの方が中心でした。一般的なハウスメーカーは800万から1000万クラスを想定していましたから、お客さま層はまったく違います。

しかし年収400万から600万くらいはボリュームゾーンです。だからこそ競合がいるという発想はなくて、“自分たちの土俵でしっかりやる” ことに集中していました。

徹底した絞り込みによって、無理のない経営を目指したという山田社長。

次回は、松本市内の施工頭数が10年連続No.1(JSK調べ)となり、ホームビルダー経営力ランキング(2012年、株式会社住宅産業研究所発表)では、全国第1位となった秘訣を聞きます。

第四回へ続く

第二回はこちら

中古住宅、分譲土地は(株)サポートへ

お問い合わせはこちら

松本市、安曇野市、塩尻市周辺の中古住宅、分譲土地は株式会社サポートにお任せください。

現地見学、内覧のお申し込みは随時受け付けています。