社長山田の経営ばなし 第四回 〜ホームビルダー経営力ランキング全国1位へ〜

5回にわたり、当社の代表取締役 山田 武雄に、これまでの事業についてお話を聞きました。

1990年に不動産会社の「株式会社セイブ」、1999年にはハウスメーカーの「株式会社スマイルハウス」を設立してきた山田社長。2社をM&Aで売却後に、当社の「株式会社サポート」を立ち上げました。(株)サポートでは土地の分譲販売や、リフォーム済み中古住宅を扱っています。

第4回の今回は、「株式会社スマイルハウス」の頃のお話。松本市内の施工棟数が10年連続No.1(JSK調べ)となり、ホームビルダー経営力ランキング(2012年、株式会社住宅産業研究所発表)では、全国第1位となった秘訣を聞きます。

やはり、地域を絞り込んで戦略を立てていたことが大きかったのでしょう。施工件数も着実に増えましたし、さらに収益率も高くなりました。

経営力ランキングでは収益率を基準にしていますので、結果として「日本で最も収益率の高い会社」と評価されたことになります。戦略を一つひとつ丁寧に突き詰めていくことで、自然と成果が高まる――まさにその積み重ねが、結果につながったのだと思います。

当時の住宅メーカーの営業職では、夜にお客様のご自宅を訪問するのが当たり前でした。遠方のお客様のご自宅に伺う場合、時間も交通費もかかります。たとえば1時間かけて行き、往復で2時間、さらにお打ち合わせに1時間かかると、合計で3時間ほど費やすことになってしまいます。

そこで、当社は松本のハウスメーカーの中で最も早く「来店型営業」を取り入れました。当社はお客さまに、昼間に会社に来てもらうようにしました。そうすると、打ち合わせ1回においてかかる時間は、お打ち合わせの1時間で終わるようになります。

昼間にお客様に来店していただくことで、若手の営業マンでも先輩のサポートを受けやすい環境が整いました。また、当社のお客様にはお子さんがいる家庭が多く、夜に訪問しても落ち着いて話ができないこともあります。昼間の来店型営業は、社員にとってもお客様にとっても、双方にとって良い仕組みだったのです。

さらに、来店してくださるお客様は、わざわざ当社を選び足を運んでくださった方々です。当然、契約率も高く、営業の効率や成果にも直結しました。

宣伝費にはかなり力を入れました。大手ハウスメーカーが県内向けに使う広告費と同じくらいの額を投入しましたが、私たちは地域を絞って集中して使ったため、広告の密度は非常に高かったと思います。来店型営業は宣伝が命ですから、その効果は大きく、戦略の中心でもありました。「経営ばなし3」で語った「ランチェスターの法則」にもあてはまります。

第三回 車で30分以内にお客様を絞り込んだ

また、ポスティングも松本のハウスメーカーの中で最も早く取り入れました。知り合いが松本でポスティング会社を立ち上げたことをきっかけに、すぐに活用を始めたのです。こうした工夫も、地域に密着した効率的な営業を支える重要な施策でした。

僕の場合、いわゆる「働き方改革」という意識からではなく、経営効率や実績を重視した結果として、自然と働きやすい環境が整っていったのだと思います。効率が良ければ、会社の状態も良くなり、結果的に社員の働く環境も改善されます。

残業はあまりさせませんでした。残業代もかかりますし、何より私自身が残業するのが嫌いだったのです(笑)。当時、2000年代から2010年前半にかけては「残業しろ」という風潮が強かったかもしれません。しかし私は、残業している社員には「もっと効率の良い働き方を考えなさい」と伝えていました。効率的に働くことで、無理なく成果を出すことができると考えていたのです。

現在土地の分譲販売や、リフォーム済み中古住宅を扱う(株)サポートを運営する山田社長ですが、過去にはハウスメーカーも手掛けていました。

次回は、2社の売却から、現在の株式会社サポートの展開についてのお話を聞きます。

第五回へ続く

第三回はこちら